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話半分で聞いてください

口ベタによる一生懸命

夢から目覚めさせる曲

この頃の私は、夢の中で音楽がかかるのをきっかけに目覚めることが多い。

 
 かかる音楽はショパンラフマニノフといったピアノ演奏曲。私がホロヴィッツユンディ・リなどピアニストの演奏を、昼夜問わずほとんどの時間聴いているため、選曲されたと思われる。
 
夢で音楽がかかるとはどういうことかというと、例えばデパートの閉館時間に放送される「蛍の光」だとか、ドラマが終盤に差し掛かると流れるエンディングテーマのような感じだ。夢の終わりを告げるようにして、夢の世界全体に音楽が流れて来る。
 
夢の中の私は、たとえ楽しく誰かと話していても、集中して何か作業をしていても、音楽がかかれば「これは夢だ」とハッとして、必ず現実世界へと意識を向けて、起床する。
 
 
今春公開された映画「ロボコップ」にも、同じようなシーンがあった。主人公の警察官が瀕死の状態から、医師から特殊な肉体改造を受けて「ロボコップ」として目覚める際に、シナトラの「Fly me to the moon」がかかる場面だ。
 
Fly me to the moonは、主人公とその妻にとっての思い出の曲。死んだも同然、殆ど無となった主人公の意識に、(おそらく)ショックを与えるために医師が聴かせる。主人公は流れる音楽とともに、段々と生前の記憶を呼び起こし、長らく閉じていた目を開く。
 
 
そういえば夢をテーマにした映画「インセプション」でも、夢から覚める合図「キック」の前には、必ずエディットピアフの「水に流して」がかけられていた。思えば水に流して以外には、音楽らしい音楽は劇中になかったような気がする。
 
 ひょっとすると音楽は、この世にしかないものなのかもしれない。もし音楽のかかる間に夢から目覚めなかったら、私はどうなってしまうのだろう?