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話半分で聞いてください

口ベタによる一生懸命

「もしくは、蝶のような人」

別れは始まりとともにやって来る。誰かが死んだその瞬間、どこかでは新しい命が生まれているなんて言われるように、何かの終わりは、何かの誕生を知らせている。作用があれば、反作用がある。後退する力があるということは、前へ進む力があるということだ


私には、生きている時間にイメージがある。いつもある乗り物に乗って、旅をしている。乗り物は、誰も同乗していないうえに何処へ着くかも分からない、安堵と不思議の共存する長い列車で、広く取られた窓からは、流れる景色のように他人の姿が見える。常に進んでいるのと、時間の経過とともに季節が変化するのも相まって、二度と同じ景色が見えることはない。景色を後ろに追いやることで、私は前進できているのかもしれない。


ところで、学生時代に友人が「例えるならば、風のような人」と私の印象を話してくれたことがあった。どこから来て、いつまで居て、どこへ行くのか分からない。気づいたら居なくなっているところが、風のようだと言っていた。そして彼女は「もしくは、蝶のような人」と続けた。

もしかしたら、私との友人関係への心許なさを、彼女はその言葉に込めていたのかもしれない。けれども私は「景色側にいる人の目には、列車に乗る私がそう映るのか」程度に思っていた。それくらい、私は別れを日常的なものと捉えているし、その存在に肯定的だ。

なぜなら別れは、辛く寂しいものである代わりに、必ず何かの始まりを知らせ、いつも私の胸を高鳴らせてくれるからだ。締めの話をするつもりが、振り出しに戻ってしまった。


そういえば、甲本ヒロト真島昌利ブルーハーツを解散した後結成したバンド、ハイロウズ。1stアルバムの1曲目は「グッドバイ」であった。ヒロトの「皆さんのハイロウズ1発目に相応しい曲」という紹介の後、演奏が始まる。別れをテーマにした歌にもかかわらず、哀しみに打ちひしがれることもなく、飛び抜けた明るさがあって、私の人生の気分に合っている。

きっと去年と同様に、2014年も別れで終わり、2015年も別れで始まる。いつまでも楽しい旅が続きますように。


今週のお題「2014年のお別れ」〈2014年をふりかえる 3〉