話半分で聞いてください

口ベタによる一生懸命

普通のカフェでリラックスできない/四ツ谷のジャズ喫茶「いーぐる」

カフェに1人でいると、そわそわしてしまう。「おしゃれすぎて落ち着かない」とかいう類ではなく、隣の人の動きや声、雑音、匂いにいちいち反応してしまって落ち着かず、そわそわしてしまう。

 
仕事に疲れ、カフェへ行ってほっと一息つくどころか、あっちこっち興味が移って気を取られ、ずっと頭の中が忙しく、逆に気疲れする。
よく、テーブルの上にノートパソコンを開いて集中して作業している人が店の中にいるが、とてもそんな器用なこと、私には出来たもんじゃない。
 
 
カフェのような場所で落ち着くことができないのは、私が、興味が点々と移りやすい性格の持ち主であるためだ。
 
さっき掃除をしていたと思ったら、ふと見つけた本に気を取られ、掃除用具をその場に放り出し、黙々と本を読み耽っていたりする。少しでも刺激があると、一つの事柄に集中できなくなる
 
そういうわけで、カフェが苦手なのである。雑踏の中にいるのが得意でないのだ。それなら、喫茶店に行けば静かで寛げるのではと思いきや、今度はタバコの煙が問題になる。
 
店の雰囲気といった他の点は申し分ないのだが、喫茶店の多くは喫煙可能なため、煙や臭いが店内に充満していることが多い。私は雑音の他にも、タバコや強い臭いが苦手なのでこれもまた辛いのだ(喫煙者は社会で虐げられることも多いが、彼らには喫煙所も喫茶店もあるので、羨ましいなあと時折思う)。
 
果たして、私のような人間がホッと一息つけるような、カフェや喫茶はどこにもないのだろうか?
 
 
諦め掛けていた頃、四ツ谷にある喫茶「いーぐる」に出会った。いーぐるは1967年から続く老舗のジャズ喫茶で、コップの水が揺れるくらいの大音量で音質の良いジャズを流す店である。
 
この店の何がいいかといえば、音楽はもちろんなのだが、開店から午後6時まで雑談禁止というルールがある点だ。
 
雑談禁止の時間にお店へ行けば、音楽を純粋に聴きに来ているお客さんしかおらず、彼らはお喋りは勿論、大きな雑音を立てることもない。臭いで言えば、漂ってくるのはコーヒーの香りくらい。
 
全面禁煙ではないが、雑談禁止の時間は人がそれほど多くなく、喫煙者もあまり見かけない。さらに、店内は結構広く、テーブル同士の距離がきちんと取られているので、もし仮にタバコを吸われても、臭いが漂ってくることはそうない。
 
加えて過剰な装飾やインテリアもなく、非常にリラックスできるのだ。また、店内のネットワーク環境があまり良くないのもこの店で過ごすことにおいては、逆にメリットになっている。携帯やパソコンをいじれないので、コーヒーを飲むか、ジャズを聴くことくらいしかできない。何にも誰にも、邪魔されない時間が環境として備えられている。
 
 
ただコーヒーを飲みながら、目を瞑ってジャズを聴くのは、贅沢すぎる時間の過ごし方かもしれない。けれども、時にあらゆる意識や感覚に蓋をして、休憩することも必要だ。
 
私は頭の中が疲れたと思ったらこの店でリセットをする。カフェのような雑踏や、喫煙所などでリラックスすることができない人間に、いーぐるは非常にお勧めである。
 
追記: