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話半分で聞いてください

口ベタによる一生懸命

誰かに教えて貰った知恵や習慣を生活に取り入れるのは、良いエッセイを読んだ後の人生に似ている

誰かに教えて貰った知恵や習慣を生活に取り入れるのは、良いエッセイを読んだ後の人生に似ている。誰かの感受性とともに、生きている感じがする。

 
 
例えば、家で飲むレモンサワー。友人の家に遊びに行ったら、缶入りのレモンサワーをわざわざ「うすはり」のグラスへロックアイスを入れたものに注いで、マドラーで1度かき混ぜてから出してくれた。
 
飲んでみると、口当たりが良く、炭酸や甘味料の味が和らいで、そのままよりも断然美味しい。びっくりした。焼酎と炭酸で一から作らないでも、そのひと手間で、十分美味しいものが飲める。以来、自宅で冷たい飲み物を飲む時は、そうやって飲んでいる。
 
ほかには、切り花を買ったら枯れだす前にドライフラワーを作り始めるのも、人に貰った習慣だ。花を花瓶から取り出して、茎の下の方を麻紐でくくり、風通しのいい場所に吊るして乾燥させる。エアコンの風が当たる箇所におくと良いと聞いて、そうしている。
 
買った花と長く一緒に居られるし、うまく乾燥させないと、枯れて萎びた色が出てしまうなど、作るのが難しいところが面白い。それに、ドライフラワーにすると生花の時とまた顔付きが変わるのも楽しくて良い。
 
 
母に貰った習慣もある。一つ一つ挙げればキリがないが、中でも、煮物を多く作ってしまった時の主婦の知恵が気に入っている。
 
ひじきの煮物は、煮汁を切って、硬めに炊いたご飯と和えて混ぜご飯にしたり、裏漉しした木綿豆腐と混ぜて白和えにしたりする。
肉じゃがは、豆板醤を加えて韓国風に味を変えたり、手間はかかるが衣を付けてコロッケにすると、とても美味しい。忘れてはならないのが、余ったカレーのルーで作るカレー南蛮。これも結構好きだ。
 
 
ひとりでいても、生活に誰かが染みついているのを感じると、幸せな気持ちになる。そういう感情が湧き上がる瞬間が、私は好きだ。