読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

話半分で聞いてください

口ベタによる一生懸命

私を疾走させるガパオライス

学生の頃からエスニック料理を定期的に食べに行っている。お店は原宿の「チャオバンブー」と飯田橋の「ティーヌン」がお気に入り。屋台の雰囲気が再現されていていい。たまに、リゾートホテルのような洒落た雰囲気の店があるが、ああいうのはなんか違うというか、緊張しちゃうんだよな。テーブルが不安定で、椅子には背もたれがない位の環境でいい。

席へ案内されたら、とりあえずシンハービールを注文してから後の事を考える。友達や同僚と長く居座るなら、ヤムウンセンだとか前菜とおかず系を幾つかチョイスするのだが、1人の時は潔く主食を1品だけ頼むことにしている。パッタイにラクサにチキンライス、メニューを見ると毎度目移りしてしまうけれど、結局いつも挽肉を炒めてご飯にのせた、ガパオライスを選んでいる気がする。

ひと口食べると、弾力のあるスパイシーな挽肉と脂を纏ったご飯の味に、ああこれこれ…と妙な懐かしさを覚える。1/3くらい食べたら、ここで唐辛子を小さじ2杯分くらい入れることにしている。体をつたう大量の汗で逆に寒くなるくらいの辛さに調節するのがポイントだ。これを口にすると、何だか視界が開けるというか、パーッと開眼するような感覚になる。
滝のように汗をかきながら、まだまだお皿に山盛りのガパオを止まることなく口に運び、時折ヒーヒーと痺れる舌を慰めるために水を流し込む。終盤でカリカリに焼かれた目玉焼きの卵の黄身を潰し、ご飯に絡めながら食べる。どんなにボリュームがあっても、提供から完食まで10分もかからない。夢中になっているからだ。この疾走感がたまらない。

食べ終わってみると、服は汗でびっしょりしているし、なぜか息切れまでしているうえ、辛味と冷水の刺激でお腹を必ず壊してしまうので、トイレに籠りながら「やめておけばよかった」と毎回後悔してはいるのだが、分かっていながら、どうしてもやってしまう。

ところで、ガパオライスに限らずエスニック料理は全般的に美味しいと思う。特に馴染みはないし、好物の食材が使われてるわけでもないのにもかかわらず、何でこう異国の料理を魅力的に感じてしまうのか。小耳に挟んだところによると、それは東アジアの人間は美味しさを感じるポイントが近いためで、鍵は旨味にあるらしい。

日本や中国なら醤油や味噌、タイやベトナムならナンプラーと、東アジアの料理は旨味のある発酵調味料を基調に作られているために、他国の料理よりも旨味が強く、旨味の成分の中でもグルタミン酸が共通して強いという。
味覚の感覚が近い証拠に、日本製の味の素が東アジアでよく使われているらしいのだが、その辺りへあまり旅行に行かない私にはあまりピンと来ない話である。自分で調査していないので、本当かどうか懐疑的に思っているせいかもしれないが。

それよりも、大体の料理が白ご飯にのせてかきこむのを前提に作られてるからと言われた方のが「確かに!」となるんだけどな。