まつ毛エクステを付けるのをやめた。18歳の時から10年以上継続していたけれど、今更まつエクをつけた自分の顔が不自然に思えたり、公私共にない方がいいシーンに何度か直面したり、何よりお金がもったいないし、メンテナンスも最低月1回行くのが面倒になって辞めてしまった。
まつエクをするメリットは大きく2つあった。顔が大きいわりに目が小さいがゆえ、より太って見えるのを少しでも誤魔化せる気がしたことがひとつ。化粧品や洗顔料で顔が痒くなりやすい肌質なので化粧があまりできないけれど、まつエクさえつけていれば化粧をしている「風」に他人には思ってもらえることだ。
前者は心の弱さである醜形恐怖を、後者は身体的な弱さである敏感肌をカバーしてくれたし、根源的に私が取り憑かれてる「(他者に求められたことで作られた)あるべき女性像」に近づけてくれることもよかった。 私のような何も取り柄のない人物は、痩せてなければいけないし、化粧をして可愛い服を着て、きちんと女性をやることができなければ世の中に受け入れられないーー。割と本気でそう思っていた。信じられない話かもしれないが、身近な方にそう指摘したり叱ってくる人が何人もいた。
今ごろになって、こういった自身の思考や環境の危うさを克服し始めることができたからこそ、まつエクを辞められたのかもしれない。周りの人にとっては大したことない見た目の変化に過ぎないが、私の中では人生における大きな革命だ。
一つ前のエントリーで「髪を染めない、流行を追いかけない」という記事を書いた。自然な髪色、自分の体型に合った好きな服。最近ゆっくりと自分が自分らしくなっていく感覚がある。ただ他人のために繕ってきた鎧を脱いでいくような。
歳をとるたび、引き算されていく。今の自分の見た目は、結構好きだ。